Once upon a Pomeranian 追憶のポメラニアン
追憶のポメラニアン
私がToy Dogs(愛玩犬)を毛嫌いするようになったのは、
いつごろからだったろう?
人間のおもちゃ、慰めにされるために、
交配に交配を重ねて、出来上がった
なんとも派手で、不自然な姿形。
キャンキャン泣くくせに、無力で
どこか痛ましい、
人に頼ってしか生きてゆけない哀れな生き物
そんな印象を強く与える、
Toy dogsたち。
私はToy dogsを「飼わず嫌い」した。
うっとうしい。
うるさい。
みみっちい、とか、
いくらでも思いつく悪口。
そんなまま、いつしか大人になった私は、
あるとき、美しいToy Dogに出会った。
彼らのこと、全然知らなかった私は、
その犬が、
果たしてポメラニアンだったのかどうかさえ
今は定かではない。
おめでたいリボンをつけられた額は、
はっとするような気品にあふれ、
つややかな毛波は、
彼女のもって生まれた完璧さを
物語っているようだった。
ゆらゆら波打つ毛並みは、
まるで、仙人の長い白髪のよう。
犬である前に、彼女は、
誰にも否定できない
存在、そのものだった。
キャンともクンとも言わず、
賢そうな瞳は、
私の心にまっすぐ語りかけてきた。
なにを、彼女は言ったのか?
私にはわからない。
でも、私のなかで、
Toy Dogにたいする根拠のない嫌悪感が吹き飛んだ。
私は彼らのかけがえのない命を軽んじてきた自分を
深く恥じた。
それからは、
キャンキャン鳴いて
「鳴き寝入り」するような犬にも、
自分の尻尾を追いかけることに
情熱の100%を注いでいるような犬にも
誰にでも尻尾をふる
お愛嬌で生きる犬にも、
どんな犬にも、
私は、眩しいような命の輝きを感じる。
Data
Serial #: 0175
Title: Once upon a Pomeranian 追憶のポメラニアン
Size:
Type: Stone Art
Date: 2007 March
Status:
Price: